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スクラップ解説

scrap iron

くず鉄ともいう。製鉄、鋼材製造あるいは鋼工作物の機械加工に際して生ずる各種鉄くず、および鉄鋼製品の老廃や破損によって生じた古い鉄くずのこと。鋼や鋳物の製造原料として用いられる。

スクラップは、発生源により次の三つに分類される。(1)製鉄所内の自家発生くず、(2)機械、自動車、造船などの工場での発生くず(加工くず)、(3)工場あるいは市中で発生する廃棄くず。(1)はその素性、含有成分、形状および重量が明確で、使用する際の信頼度が高く、とくに特殊鋼製造工場ではその管理に細心の注意が払われている。(2)(3)はその性格上品質が不安定であり、そのため品位と形状についてJIS(ジス)(日本工業規格)により分類されている。鋼の性質の維持向上にとって有害なリン、硫黄(いおう)、銅の含有量、およびかさ比重によって品質が区分されている。転炉では操業法およびスクラップ市況などにより左右されるが、10%前後のスクラップを鉄源として使用しており、電気炉ではほぼ100%である。また鋳物製造の際も銑鉄でなくスクラップを原料とする場合がある。

スクラップは、すでに鉄鉱石から鉄に還元するもっともエネルギーを要する工程を経ている重要な鉄源であり、鋼の製造、消費に長い歴史をもつ欧米には豊富に存在し、輸出余力もある。日本も鋼材蓄積が進み市況に応じ輸入もしているが、輸出国になってきている。その価格は好不況により大いに左右され、これが電気炉メーカーの経営を大きく支配している。